・ユーザーの10種類の表情から動作を選択
“Wheelie 7”と名付けられたこのシステムは、車いすの前身、旋回、停止といった動作を、ユーザーの10種類の表情から選んで実行する。例えば、利用者が笑顔なら、それが停止コマンドとなる。顔認識には、侵襲性のボディセンサーに代わって、3Dインテル®RealSense™デプスカメラSR300を使用。カメラが捕捉した映像を、Alアルゴリズムがリアルタイムで処理して、いすを制御するためのデータをストリーミングする。
・現在、プロトタイプでテスト中
現在米国内で、脊髄損傷を抱える人の数は、約28万8000人。加えて、毎年約1万7700人が、新たな患者として計上されている。日常的に車いすに乗らざるを得ない彼らにとって、いすを動かす際に生じる身体のちょっとした動作は、大きな負担になる。さらに、重度の麻痺患者の中には、ジョイスティックなど、指先で動かすツールすら、使えない場合がある。その点、“Wheelie 7”なら、利用者の負担を減らし、安全かつ楽な方法で車いすを操作することができる。行動範囲もぐんと広がり、患者のQOLは格段に向上するだろう。今は、四肢麻痺や筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者約60人を対象に、プロトタイプで試験を行っているところだ。市場導入は未定だが、多くの麻痺患者を救うためにも、ぜひ一般販売へこぎつけてもらいたい。
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