そうした状況を踏まえ、英国の高級車メーカー、アストン・マーティンはクラシックカーを電気自動車(EV)に変えられるキットを開発。手始めに、1970年式「DB6 MKⅡ ヴォランテ」をEV 化した。
・カセット方式
このキット開発目的はただ一つ。エンジン搭載の車の走行が禁止されてもクラシックカーを走らせることができるようにすること。キットはカセット方式と呼ばれ、エンジンやトランスミッションを取り除き、それらが収まっていた場所にEVパワートレインを据える。
そうすることでEV化でき、しかもこの方式ではEVにした後にまたエンジン車に戻すことができる。これならEVとして乗り回し、しばらくしてエンジン音が恋しくなったら元に戻す、ということができる。つまりリバーシブルなのだ。
・現EV車の技術で
アストン・マーティンは現在、純EV車「ラピード E」の開発を手がけているが、そこで培った技術や部品を今回のカセットにも生かしているとのこと。クラシックカーをEVに変換したときの航続距離や加速性能などはどうなのか、といったことは明らかにされていないものの、この場合はEVに変換できることに意味があり、そこまで追求する人は少なさそう。
内燃機関搭載の車が将来禁止されても、クラシックカーをディスプレー専用に終わらせない貴重な取り組みといえそうだ。
Aston Martin