だが、ブースターについてはいつも通りの回収ができなかったようだ。SpaceXによるISSの物資補給を目的とした打ち上げは16回目となるが、ブースターの着陸に失敗したのは2016年6月以来のこと。
ただブースターは、着水2日後に大きな損傷もなく海中から回収されている。
・油圧システム故障も着水は調整
ロケットの底の部分にあるブースターは通常、Dragon補給船を軌道に乗せる任務を終えると、陸上や海上にある回収プラットフォームに戻ってくる。しかし今回は、着陸予定地点から外れ、ケープカナベラルの海に着水したようだ。
失敗の原因は、ブースターのグリッドフィン(機体の向きを制御する翼)の油圧システムが故障したことだ。
Grid fin hydraulic pump stalled, so Falcon landed just out to sea. Appears to be undamaged & is transmitting data. Recovery ship dispatched.
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年12月5日
ただし、制御を失った後もなお、着水の速度はたくみに調整定され、イーロン・マスクによるとブースターは損傷からはまぬがれているようだ。
・ブースターの回収は二次課題
グリッドフィンのシステムトラブル後もデータは送信されており、映像からはブースターが回転しながら落下していき、海面に落ちる様子が確認できる。
Engines stabilized rocket spin just in time, enabling an intact landing in water! Ships en route to rescue Falcon. pic.twitter.com/O3h8eCgGJ7
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年12月5日
マスクによると、最優先課題はDragon補給船を軌道に乗せることで、ブースター回収に関しては二次課題。
このためブースターは冗長性を備えない設計となっていたとのこと。
ブースター着陸に失敗したとはいえ、優先課題の方はいまのところ達成していて、大きな損傷なく回収されたブースターについても今後再利用される可能性が高い。
Tracking shot of Falcon water landing pic.twitter.com/6Hv2aZhLjM
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年12月5日
素早く失敗を公表にしたことで、いまのところSpaceXの信頼性は保たれているといえるだろう。
参照元:SpaceX Rocket Misses Landing Pad and Falls into the Ocean/PopularMechanics
Watch a SpaceX rocket booster get towed from the ocean after a watery failed landing/OrlandoSentinel