・セントラルブレインでロボット全体をコントロール
「Manus」は、10体の既製産業用ロボットアーム(ABB IRB1200 -5 / 0.9)で構成されている。食品や自動車シャーシの塗装工場で利用されている、ごく一般的な製品だ。既製品との違いは、自律的な動作を促すカスタムビジョンと、通信ソフトウェアを組み込んでいるところ。これらのシステムはすべて、 C + +ベースのオープンソースの芸術工学コーディングツールキット“openframeworks”を元に、開発された。ロボット全体の動きを制御するのは、セントラルブレインと呼ばれる中央管理システム。この中に、12個のDepthセンサーがあり、1.5メートル範囲内にいる人間の動きに、グループで反応するようになっている。10体のロボットそれぞれに、異なるパーソナリティをプログラミングしてあるため、個々の稼働も可能だ。
・既製品をベースに構築
近づいてきた人物の身体情報は、内蔵されたカメラによってトラッキングされ、データとして蓄積される。ロボットたちは、このデータを使用して、誰に向かって移動するかを決定する。「Manus」最大の特長は、既存のプロダクトとプログラミングシステムをベースに、製造した点だ。ゼロからのオリジナル開発ではないので、コストも最小限に抑えられる。その分、安く供給できるというメリットもある。
本品は、9月に開催された夏季ダボス会議(he New Champions 2018年次会合)で展示され、話題を呼んだ。市場導入は未定だが、工場や工事現場における単純作業の効率化に、大いに貢献するだろう、と目されている。
Manus/Atonaton