しかし、何事もそうだが、新しいことには課題がつきもの。フリーアドレスには、誰がどこにいるかわからない、といったトラブルが伴う。直接対面できないため、情報の共有に支障が出るという問題も。自由な環境を保ちつつ、コミュニケーションを円滑にするシステムが必要だ。
・ビジネスチャットとの連動で社員の居場所を可視化
そこで登場したのが、この「Spoor(スプール)」。英語で、“獣の足跡”を意味する本サービス。その正体は、ビジネスチャット(Slack)と連動するボットサービス。社員がボットに、「◯◯(他の社員)はどこにいる?」と聞くと、その社員の行動と居場所を明らかにするという、スグレモノだ。従来のGPSサービスと違うのは、プライバシーを守りながら、所在を可視化するところ。端末やビーコンを所持せず、パソコンのWi-Fi情報と、カレンダー情報から、個人の状況を把握する。ビーコンのように、1メートル単位での詳細な所在検知は実行しないため、トイレなど、個人空間におけるプライバシーも十分に保つことができる。
・導入コストも最小限に
余計なデバイスが不要なので、導入コストも最小限で済む。全国各地に点在する支社や支店はもちろん、プロジェクトに関わる外部メンバー、コワーキングメンバーに適用できるのも、大きな特長だ。カンファレンスで個人が許諾をした場合、その人が「どこの会議室にいるか」を、サイネージで表示するような転用も可能だそう。オフィスデザインのイノベーションに、大いに役立ちそうだ。
Spoor