そこでカナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)の研究チームが開発しているのが、ほぼリアルタイムに有害バクテリアの有無がわかる小型デバイス。素早い医療処置に役立てられそうだ。
・反響振幅の変化を分析
このデバイスでは、生体液のサンプルをマイクロ流体チャネルの中に入れ、そこに2.5GHzのマイクロ波信号を送る。その信号の反響振幅の変化を分析することでバクテリアを特定できるのだという。バクテリアの有無や種類がわかるだけでなく、サンプル内の濃度もわかる。
・素早い抗生物質投与に
研究チームは、濃度やpHレベルが異なる大腸菌のサンプルでテストしたところ、正確に、そしてその場で正確な結果が得られたという。研究チームは「統計によると、複合感染の場合、抗生物質による治療が1時間遅れるごとに、死亡率は8%上昇する。通常、バクテリアの検出には2〜5日かかるが、すぐに結果が得られるとなれば、医療従事者が適切な処置をタイムリーに行える」としている。
現在はまだプロトタイプの段階だが、さほど高価でないのもポイントとのこと。
研究成果は専門誌Nature Scientific Reportsに掲載された。
ブリティッシュコロンビア大学