・3Dプリンターと人工知能を組み合わせて絵画を精緻に複製
従来、絵画の複製では、2Dプリンターが広く用いられてきたが、シアン・マジェンタ・イエロー・ブラックの4色に限定されていた。そこで、「RePaint」では、3Dプリンターを使って10色の透明インクを極薄で積層していく独自手法「カラー・コントニング」を考案し、小さな色の点を大量に使って画像を作る「ハーフトーニング」と組み合わせることで、色の微妙な差異をより精緻に表現できるようにした。
また、異なる色同士の最適な積層を予測する、ディープラーニング(深層学習)をベースとしたアルゴリズムを開発。
このアルゴリズムに絵画の画像を与えると、どの色をどの位置にどれだけ使うかを自動的に決定する仕組みだ。
「RePaint」は、光条件も考慮して絵画を複製でき、その精度は従来の4倍も高いという。
・市販の3Dプリンターで絵画が複製できる時代に!?
「RePaint」は、現時点では名刺サイズでしか複製できず、コバルトブルーのような色が含まれていないため再現できる色に限りがあり、光沢仕上げやマット仕上げなどの加工はできないなど、まだ課題もいくつか残っている。研究プロジェクトでは、近い将来、市販の3Dプリンターで効率よく、より大きな絵画が複製できるよう、「RePaint」のさらなる改善に取り組む方針だ。(文 松岡由希子)
MIT News