同技術をリードするBCIのBrainGateは昨年、毎分8語の龍力速度を実現。このほどBrainGate2の臨床試験をおこない技術の進展を確認したようだ。
被験者はピアノアプリでの演奏やオンラインショッピング、テキストでのやり取りなどをおこなうことができた。
・上肢麻痺患者にも自然なタブレット操作を
いまのところ、実用的な精度を備えたBCIでは脳へのインプラントが必要。そのためBCIの対象としては上肢麻痺や言語障害によりマウスや音声でのデバイス操作が困難な人が想定されている。Facebookなどは、非侵襲的なBCIの開発に取り組んでいるがまだ実現していない状況だ。
BrainGate2の臨床試験で、被験者は筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脊髄損傷の患者3人。脳に小さな電極を埋め込んで、市販のAndroidタブレット(Google Nexus 9)を操作するというもの。
・脳からの神経信号をマウス操作に変換
脳へのインプラントを通して得られた神経信号が、業界標準プロトコルによりルーティングされて仮想マウスとして機能。Bluetooth経由でタブレットとつなげられた。被験者は、電子メール、チャット、Webブラウザ、ビデオ共有、音楽ストリーミング、天気予報、ニュースなど、7種類のアプBrainリをタブレットで試すように求められ、被験者の要望によりキーボードや電卓といったアプリが追加された。
結果被験者は、これらのアプリを楽しんで操作できたほか、1分間に最大22回のクリック操作をおこない、電子メールなどでは毎分30文字の入力が可能だったとのこと。
BrainGate2の臨床試験は現在も進行中で、さらなる神経解読の速度および精度向上が期待できるだろう。
参照元:Paralyzed Individuals Operate Tablet with Brain Implant/IEEE Spectrum