“はったり”のように聞こえるかもしれないが、その背景には自社SpaceXが開発を進めるロケットでの最近の大きな進歩があるようだ。
・片道切符の旅
この発言は、米国のケーブルテレビ局HBOのニュースチャンネルAxiosとのインタビューで出てきた。そもそも、イーロン・マスクが火星に行くと話すのは今回が初めてではない。しかし、今回は火星への旅が基本的に片道切符、つまり移住を指し、しかも可能性70%と具体的な数字を挙げている。
・相当の覚悟で
これだけ聞くと、金持ちが危機迫る地球を見捨てて新天地に行くのか、あるいは宇宙を楽しむのか、と思う人もいるかもしれない。しかしイーロンは生半可な気持ち、あるいは金持ちの特権として火星に行くつもりではないようだ。インタビューの中で「過酷な環境で過ごすことになるだろう。死ぬかもしれないし。もしかすると地球に帰ってくることができるかもしれないが、それは保証されない」と語っている。
またエベレスト登頂を引き合いに出し、非常に危険で、“チャレンジ”となるとしている。
もっとも、成功する可能性があるからチャレンジするのであって、この可能性はSpaceXの技術の進歩が支える。同社は宇宙船Starshipの開発にすでに着手している。
火星への移住がいつ現実のものとなるのかは現在のところまだ見通せない。しかし、Amazonのジェフ・ベゾスも月植民計画を持っていることなどを考えると、人類が地球を抜け出すという路線は今後さらに鮮明になってきそうだ。
Axios