そんなSFのようなシーンが現実のものになりつつある。米国のBrainGateコンソーシアムは、麻痺で手足を自由に動かせない人がタブレットを使ってさまざまな操作を行えたとの研究結果を発表した。
・小型チップを脳内に
この仕組みの鍵となるのが、麻痺を抱える人の脳の運動皮質に埋め込まれるチップ。赤ちゃん用のアスピリン錠ほどの大きさで、神経細胞の電気活動を感知する。その電気シグナルを外部の装置で読み取ってコンピューターに送る。そして特殊なアルゴリズムを使って思考がどの操作を指しているのかを特定し、コンピューターからデバイスへとコマンドが送られ操作できる仕組みだ。
・ピアノ演奏も
現在も進められている臨床試験では、両腕両足に麻痺を抱える3人にチップが埋め込まれた。そしてタブレット端末Nexus 9でオンラインショッピングをしたり、YouTubeでビデオを探したりといったことができた。またニュースをスクロールしたり、ストリーミングサービスで音楽をブラウズしたりすることもでき、3人のうちの1人の女性はデジタルピアノインターフェースを使って、ベートーベンの「歓喜の歌」も演奏したという。
研究によると、試験参加者は1分あたり22のポイント&クリックができ、スタンダードのテキストや電子メールのインターフェースでは1分あたり30文字の入力ができた。
参加した3人は皆、このシステムは楽しく、使いやすいとの感想を持ったとのことで、今後大きな可能性を秘めたものといえそうだ。
Brown University