手軽になっても、課題はある。一つは、情報発信の役割を担うインフルエンサーを見つけるまで、多くの時間と手間をかけなければならないこと。企業側担当者に言わせれば、自身の負担も含め、効率良く拡散できているのかどうか、いささか不満もあるようだ。
そんな問題を解決するのが、今月リリースされたばかりの「door(ドア)」だ。商品やサービス・イベントなどの情報を、インフルエンサーにInstagram・Facebookで拡散してもらえる、“いいね!”特化型PRサービス。支払い金額などを設定し、その条件内で、情報拡散の依頼ができるという、明朗会計なシステムもうれしいところ。
提供元は、2007年創業のLIG(リグ)。WEB事業部の長島 篤史(ながしま あつし)氏が、取材に応じてくれた。
・登録インフルエンサーは約3500人
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。そもそもこの「door」というサービスは、LIGとは異なる会社で開始したのですが、「インフルエンサーマーケティングを、もっと簡単にわかりやすくできないか?」「タレントさんやモデルさんだけがインフルエンサーではなく、誰しもが参加できるサービスにしたい」という思いから、(あらためて弊社で)スタートしました。
サービスをスタートさせる前に、人的リソースを使って、キャスティングやマーケティングを行ってきました。多くの人を介することで生じる無駄を打破したいと思い、お金とスピードに関しても、熟考しました。
Q2:「door」とは、どんなサービスなのでしょうか。仕組みや特長について、あらためて教えてください。
大枠は、至ってシンプルです。「door」には、約3500人の登録インフルエンサーがいます。この人たちに、情報拡散の依頼をかけることができます。情報発信してお仕事をしたいインフルエンサーと、情報拡散してほしいスポンサーをつなげるサービスです。
・Instagram APIで効果の測定を明確に
Q3:正式リリースまでに、500社近い企業が登録されたようですが、実際にサービスが動き始めてからの反響は、いかがなものでしょうか。冒頭で述べた通り、こちらのサービスは、別の企業で一度リリースし、運営もその会社が行っていました。その際、ウェブPRなどのプロモーションはかけておりません。Q4:今後の展開について、教えてください。
今回のリリース時には、数十社の企業から登録、お問い合わせをいただきました。今後は、プロモーションにあまり予算をかけられない企業や、個人のスポンサーにも多く活用してもらえるよう、幅広い範囲で、販促を行っていきたい、と思います。
「door」は、Instagramの正式なAPIを取得しております。これにより、情報発信をしたインフルエンサーが参加した案件に対して、いくつ“いいね”を集めたか、あるいは案件を実施したことで、どれだけ情報拡散効果があったのかを、計測することができます。この情報効果を、インフルエンサーに対して、キャッシュバッックするような仕組み、見せ方の造りについて、検討中です。
ウェブにアクセスすれば、リアルタイムのインフルエンサーデータを確認できる。すべてが明白な点も、本サービスの大きな特長と言えるだろう。登録は、企業・インフルエンサーとも無料。詳細は、それぞれの専用サイトで確認してほしい。(取材・文 乾 雅美)
door(スポンサー向けサイト)
door(インフルエンサー向けサイト)