皮膚に直接貼り付けるタイプの電子デバイスが汎用化されれば、スマホやスマートウォッチよりも断然手軽で、ウェアラブルデバイスの最終形態となるかもしれない。
そんな汎用電子タトゥーの登場を予感させる技術を、カーネギーメロン大学の研究者らが開発したようだ。
・ファッションタトゥーのように水で貼り付け
カーネギーメロン大学の研究者らが開発したのは、低コストで提供できて装着するが簡単、丈夫で伸縮性の高い電子タトゥー技術だ。従来の電子タトゥーでは、電子回路を有するような高度なものでは、クリーンルームでの作業を必要とするほど装着が複雑だった。また、簡単に装着できるものについてはつくりも簡易的で、電子回路を組み込むことは難しかった。
今回開発したものは、まるでファッションタトゥーのように水を使って貼り付けられて、銀ナノ粒子からなる電子回路を搭載している。
・生体モニターやソフトロボティクスに応用可能
導電性の液体金属を使った電子回路は、インクジェットプリントにより施せる。その際、低融点のガリウム・インジウム合金を利用することで、室温で焼結できるようにしている。熱を使わず吹き付けるというこの手法は、熱に対してデリケートな素材でもうまく機能するという。電子タトゥーは布のような性質を有するため、曲げたり折ったりねじったりが可能。30%以上の歪んでも機能するので、頻繁に伸縮する皮膚への装着にもってこいだ。またヒトの肌だけでなく、湾曲したモノの表面にも貼り付けて使うことも可能となる。
この超薄型で低コスト、装着も容易な電子タトゥー技術は、皮膚に貼り付けて使う生体モニターやソフトロボティクス、折り曲げ可能なディスプレイなどにも活用でき、応用範囲は無限大だろう。
参照元:Electronic Tattoos Add Power to Wearable Computing/CMU News