購入者側としては、電子マネーは小銭要らずで気軽に買い物ができるので、小額の買い物にはピッタリだが、導入する店舗側には経費などの負担がかかり、個人経営の店では現金払いがいまだ多いのが現実だ。
このたび、沖縄県の喫茶店主らが集結し、ユニークな取り組みを始めているという。独自の仮想通貨発行アプリ「カウリー」を開発中で、2018年内のリリースを予定している。その詳細に迫るため、「カウリー」の運営会社である株式会社ヴヰンテージの代表取締役社長・赤嶺和史氏にお話を聞いた。
・自分のお店の仮想通貨を発行できるアプリ「カウリー」
Q1.仮想通貨発行アプリ「カウリー」とは、どのようなサービスなのでしょうか?カウリーは自分のお店の仮想通貨を発行できるアプリです。例えば、コーヒーチケットや回数券のようにまとまった金額を入金しておけば、支払いはアプリで済み、とても簡単。個人店には導入が難しい電子決済もこのアプリを利用すれば、無償で利用ができます。Q2.「カウリー」や株式会社ヴヰンテージが誕生した経緯を教えてください。
小規模店舗のオーナーさんを「応援し元気にする」というテーマを掲げて、集まった5人が作った チーム。それがヴヰンテージです。我々チームのうち4人は実際に沖縄で店舗を約10年営んでいます。コーヒーチケット、回数券、ギフト券などでお客さんに前払いしていただけることは、お店にとってもありがたく嬉しいものです。そうした機能をアプリで実現して、他の小さなお店の人たちにも使ってもらおうと誕生したのが「カウリー」です。
・個人店を応援!電子マネー、ポイントカードとして運用可能
Q3.既存の仮想通貨・電子マネーとの違いは何ですか? 改善、実現したかったことはありますか。小さなお店が独自の仮想通貨を手軽に導入できて、少額決済にも対応できる点が、既存の仮想通貨との違いであり、私たちの実現したかったことです。カウリーは仮想通貨のプラットフォームで、カウリー上に様々な仮想通貨を作成できます。仮想通貨ごとに独立した複数のブロックチェーンをホスティングする仕組みを構築しています。Q4.今後「カウリー」が目指すことは何でしょうか。
既存の仮想通貨と異なり、カウリー上の仮想通貨には、発行体が明確な管理者として存在します。管理者の意思により、カウリー上の仮想通貨を、電子マネーとして運用することも、ポイントカードとして運用することもできます。
「カウリー」にはまだまだ色々な機能をつけていこうと考えています。Q5.御社としての今後の展開、展望があれば教えてください。
それらを利用していただくことで小さなお店の経営が楽になって、お店側は、経営者その人にしか出来ないことに集中できるようになって、より良いサービスが提供され、さらに魅力が上がり、お客さんももっと応援したくなる、そういう流れを作っていきたいと考えています。
本州の都会などではSuicaなどの電子マネーがあり、世界でもモバイル決済が進んでいるエリアです。小さな個人店から始まる大きな志。今後の個人経営店、小売の潮流を大きく変えることになるかもしれない。
私たちは、小さなお店の視点、都会ではなく地方のお店や消費者の視点を大切にしています。カウリーの機能を増やしていくことで、地方の小さなお店を元気にしていきたいと思います。
日本でも世界でも、大都会というのは、ごく一部でしかありません。私たちは世界中の大都会でない地域を元気にしていきたいと考えています。大都会をあえて視野に入れず、東南アジアなど全世界規模でサービスを展開していきたいと思っています。
カウリー