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Enterprise 【interview】“社員の睡眠量を可視化”する福利厚生「睡眠報酬制度」とは?エアウィーヴ社との提携、制度の仕組みについて詳しく聞いてみた

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【interview】“社員の睡眠量を可視化”する福利厚生「睡眠報酬制度」とは?エアウィーヴ社との提携、制度の仕組みについて詳しく聞いてみた

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“睡眠”は健康の基本。心身を健やかに保ち、活力を高めるためにも、効率的に良い睡眠をとりたいものだ。とはいっても、「なかなか寝付けない」「途中で何度も目が覚める」「起きたとき疲れがとれていない気がする」など、睡眠の悩みは意外と深い。

「良い睡眠をとることが、社員の健康につながり、ひいては仕事の生産性を高める」という発想で、福利厚生に活用しようというユニークな試みがされている。それが、株式会社CRAZYが運営する“社員の睡眠量を可視化し、報酬を支払う福利厚生制度”「睡眠報酬制度」だ。あのスポーツ選手を起用したCMでも有名なマットレスメーカー・株式会社エアウィーヴの協力のもとスタートした。

日本初の「睡眠報酬制度」について、株式会社CRAZYの取締役代表・森山和彦氏に詳しいお話を伺った。

・日本初の「睡眠報酬制度」、エアウィーヴ社のアプリを活用

Q1.「睡眠報酬制度」とは何ですか? アプリ化の意味や使用方法をはじめ、詳しい内容を教えてください。
睡眠報酬制度とは、社員の健康や生産性の向上を目的に、「1週間の中で、6時間以上の睡眠を5日間確保した社員に報酬を渡す制度」です。毎日ベッドサイドにiPhoneをおいて、制度を共同開発しているエアウィーヴ社の睡眠時間計測アプリ「airweave Sleep Analysis」を起動します。すると睡眠時間などのデータが計測・蓄積され、会社に届く仕組みになっています。
Q2.「睡眠報酬制度」は、どのようにしてアイデアが着想され、開発が進められたのでしょうか。株式会社CRAZYと 株式会社エアウィーヴの提携の経緯も含め、教えてください。
私たちは創業時から「社員の健康」を、経営の優先順位の一番に掲げて組織づくりを行ってきました。創業から変わらず85名になった今も、自然食のランチを毎日提供していることもその一つです。

今回、睡眠報酬制度の導入に至ったのは、以前長時間労働で問題が浮上した、とある会社の知人と話したことがきっかけでした。彼は「働きたい人の権利」が守られていないことが問題だと話すのです。

このとき、働く時間を管理・制限した方が働きやすい人がいる一方で、制限なく働きたい人もいるということを目の当たりにしました。そしてその瞬間、「管理の仕方を逆転させたら面白い」というインスピレーションが浮かんだのです。労働時間ではなく睡眠時間を管理してみるというアイディアです。

そこから制度の導入までは約1年の分析や検証を重ねてきました。エアウィーヴ社の高岡会長とは制度の考案中に知人の紹介で出会い、アイディアを話すと快くサポートを申し出てくださいました。

・福利厚生制度にし、社員の「幸せ」と「健康」を

Q3.福利厚生制度の一貫とのことですが、制度化する意義や期待する効果とはどういったものでしょうか。社員、会社双方にどういうメリットがありますか。
制度導入の目的は、社員個人の「幸せ」と「健康」を追求することから始まっています。それをベースとして、さらに仕事の生産性が上がるという好循環を目指しているのです。

生産性の鍵となる社員一人ひとりの「生きがい」も含めた、人生単位でのテーマにフォーカスを当てていくと、今回のような報酬の形は、社員の安心をつくり、創造性を増幅させるので組織も活性化します。

ゆえに、制度ではありますがルールとして強制するのではなく、インセンティブの設計をし、個人の任意での取り組みとしています。それでも75%以上の社員が実際に制度を活用していることが1か月経過して明らかになりました。

社内では、自分の睡眠状況が数値として認識できることで、睡眠時間も含めた1週間のプランニングをするようになった、など社員が自発的に睡眠を意識している声も聞くようになりました。
Q4.今後の展開、展望があれば教えてください。
今回の睡眠報酬制度を定着させた後には、「運動」についても考えていきたいと思っています。考え方のポイントとしては「働き方」だけでなく、これまでセンシティブで企業が手を出しにくいと言われていた分野の課題にも取り組んでいくことです。

実際に睡眠障害や睡眠について悩んでいる人が多いということや、健康診断の結果、多くの社員が運動不足を感じているということを改善していきたいと思っています。
睡眠不足、睡眠の質の低下が、社員の健康を損ね、会社全体の活力を低下させることにつながるなら、企業としては“社員の睡眠の管理”を積極的に取り組みたいところ。健康はすべての土台。各社員にとっても、幸せな人生を支える財産となることだろう。

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