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3Dバイオプリンティングはまず角膜で実用化!?アイバンクへの導入計画すすむ

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3Dバイオプリンティングは、臓器移植で足りていない体の組織を補う技術として期待が集まっている。ただ、血管や神経などを含めた複雑な組織構造を3Dプリントする技術の開発にはまだまだ時間がかかりそうだ。

その点、角膜は構造が比較的シンプルで、3Dプリントされたものが近々製品化されるかもしれない。

医用利用のための3Dバイオプリンティング技術を開発するPrecise Bio社は、3Dバイオプリンターのアイバンクへの導入を計画しているようだ。

・皮膚や骨をプリントする技術も

3Dバイオプリンティング技術は、さまざまな器官について研究が進められる分野で、たとえば、皮膚をプリントして火傷患者に移植したり、骨をプリントして欠損を補ったりといった用途が考えられている。

角膜は、血管や神経が含まれていないことからも素材として申し分なく、3Dバイオプリンティングで最初の実用的アプリケーションとなる可能性がある。

また、プリントアウトした構造体は細胞や繊維で構成されているので、体内に異物を移植するより安全。実験段階において異常を検知した場合に特定の層を取り除いて反応を見ることもできる。

・3Dバイオプリンターではインクは細胞や繊維

Precise Bioの3Dバイオプリンターには上皮細胞やコラーゲンなどのカートリッジがあり、プリントアウトではこれらの生体に適合する材料を一層一層積み重ねていく。

そしてプリントアウトされた角膜は、細胞と繊維が結合して組織を形成するように10~14日間かけて培養する。

すでにPrecise Bioは動物実験をおこなっていて、ヒトでの実験に向けて取り組んでいる段階だ。ただ、角膜をヒトで試すには、さらに安全性を向上させる必要があるという。

角膜の障害で苦しんでいる人は世界で1000万人と推定されている。これらの角膜を必要とする人々にとって同技術は、早期実用化が待ち望まれるものだろう。

参照元:Corneas Could Be the First Mainstream Application of Bioprinting/IEEE Spectrum

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