ネバダ州といえば、GoogleやApple、Teslaも工業団地を構えており、Blockchains LLCの6万7000エーカーに及ぶ土地は、これらを取り囲むように広がっている。
このブロックチェーンベースのテック企業を立ち上げたJeffrey Berns氏は、2015年にEthereum関連のトークンを購入し、高騰したトークンが暴落する前に売り抜けた仮想通貨長者だ。
Berns氏はトレーディングだけでなく建設計画のほうも着実。州の理解も取りつけながら夢の実現に取り組んでいる。
・巨大なブロックチェーン都市を出現させる
Berns氏が構想するのは、金融サービスや個人データの管理に関して企業や政府に依存しないコミュニティ。大学やeSportsスタジアムなどを含めたブロックチェーンによるエコシステムを備えた実験都市だ。この手のブロックチェーンプロジェクトはいくつも立ち上がってきたが、詐欺まがいのものや実現性に乏しいものがほとんど。これらとBlockchainsのものの大きな違いは、建設資金の多くをICOではなく自己資産でまかなってきたことだ。
周りを巻き込みながら計画を進める姿勢も見せていて、州知事がBlockchainsの土地を「イノベーション・パーク」と宣言するなど、経済発展を望む地方当局の理解を勝ち取っている。
・電力大手とも手を組む
11月初頭には、州の主要電力会社、NV Energyとの協定が発表されている。ブロックチェーンと相性がよいエネルギーの流通管理でコラボレーションしていく見込み。またBlockchainsは、所有権や投票権をブロックチェーン上で管理する「分散協調エンティティ(Distributed Collaborative Entity :DCE)」と呼ぶしくみにより、住民主体の統治・エコシステムを実現しようとしている。
現在のブロックチェーン技術では、この壮大なプロジェクトの実現が難しいことはBerns氏も認めているが、多くの人々が思想に賛同し、協力を得ることができればビジョンは現実のものとなると考えているようだ。
Favorite part of the night was after... meeting so many of you. Thanks for the support and I look forward to what is to come. https://t.co/AaLe6aunUR
— Jeffrey Berns (@JeffreyKBerns) 2018年11月3日
プロジェクトが順調に進めば、世界初となるブロックチェーンベースのスマートシティが誕生するだろう。
参照元:Blockchains LLC
A Cryptocurrency Millionaire Wants to Build a Utopia in Nevada/NYTimes