彼らの調査によると、アメリカ国内の電力消費のうち、およそ16.5%が建物や家庭内の冷暖房費として使用されているという。この大きな電力消費を減らすことはできないかと考え着目したのが、建物全体を暖めたり冷やしたりするのではなく、人体にダイレクトに作用させる方法だ。人間の体は、周りの環境の温度よりも、皮膚が体感する温度に反応する。そこでチームが考案したのが、手首に装着する“熱電性”ブレスレットだ。ブレスレットには、空気中の温度と、肌の温度を検知するセンサーが搭載されており、ソフトウェアがパルスをコントロールして、手首を温める、あるいは冷やすという指令の切り替えを自由におこなうことができる。
「Wristify」は現在プロトタイプが制作されているが、リチウムポリマー電池は8時間連続使用できるという。チームとしては近い将来、製品として世に送り出すことを目標としている。建物全体の温度を管理するのではなく、人間の体にダイレクトに作用させることで、光熱費にかかる費用を大幅に削減できるようになるかもしれない。
Wristify