・配達しながらピザを作る調理カー
世界最大のピザチェーン“ピザハット”は、11月6日から開催される、米国特殊部品市場協会(略称SEMA)主催のオートショーで、自動ピザ製造ロボットを発表する。ユニークなのは、そのコンセプト。厨房の中ではなく、配達する途中でピザを調理するという、まったく新しいタイプのロボットだ。
同社が今回タッグを組んだのは、大手自動車メーカーのトヨタ。製造と配送の両方を担うには、ロボティクスのみならず、優れた自動車のシステムが、どうしても必要だ。セルフドライビングとゼロエミッション車両を推進するトヨタなら、その役割を十分果たしてくれるだろう。
本体は軽トラック型で、荷台の部分には、冷蔵庫、2本のロボットアーム、ポータブルコンベアオーブンが搭載されている。原動力となるのは、水素燃料電池電動パワートレイン。二酸化炭素を出さないため、クリーンな状況で食材を扱うことができる。
・ドアを開けた瞬間に焼き立てピザが!
ロボットが、ピザを調理するのにかかる時間は、6〜7分。注文を受けると同時に、ピザカーが目的の住所へ出発。後方ではロボットアームが、冷蔵庫からオーダーに合ったピザを選び、それをオーブンコンベア上に置く。そこから、高速通気式オーブンへ送られ、調理が終わると、第2のロボットアームがピザを取り出す。焼き上がったピザはカッティングボード上で、6枚にスライスされ、箱の中に入れられる。ちょうどその頃、車は顧客の家に到着。熱々のピザが、その場で受け取れるというわけだ。このようなロボットを開発した背景について、ピザハットチーフ・オペレーション・オフィサーであるニコラス・バーキアー氏は、次のように述べている。「私たちは、よりおいしいピザを、いかにしてお客さまに届けるか、常に模索しています。そこで思いついたのが、ピザが焼き上がる時間と、お客さまにお届けする時間の差を縮めること。配達しながらピザを作ることで、それが実現すると、考えたのです」
将来的には、完全自律型車両に改良し、ドライバーレスによる宅配をめざすそう。電話1本で、焼き立てのピザが食べられる。そんな日が、もうすぐそこまで来ている。souce by USA TODAY