一方、店側としては決済端末の導入費用や決済手数料の負担がのしかかり、導入への敷居を高くしている現状もある。
・沖縄の個人経営の店主らが仮想通貨発行アプリ「カウリー」を開発
お客の利便性は高くしたいが、経営負担は大きくしたくない。そんなニーズに応えようと、沖縄県内の個人経営の喫茶店と整骨院の経営者らが仮想通貨発行アプリ「カウリー」を開発している。「カウリー」の運営会社として株式会社ヴヰンテージを2018年10月31日に設立。アプリは2018年内にリリース予定だ。「カウリー」アプリを通じて、飲食店などの店舗は独自の仮想通貨を発行でき、顧客は「カウリー」アプリを仮想通貨の財布として、キャッシュレスで飲食店を利用できるようになる。
発起人は、沖縄県内で営業する「あぐろ焙煎珈琲店」(那覇市)「マイドパルタ」(豊見城市)「あぐろローストコーヒー」(八重瀬町)「Iko.カフェ」(南城市)「いこい整骨院」(南城市)の店主ら。「カウリー」を通じて、個人店を元気にしていくことが設立の目的だという。
・審査なし、店が独自の仮想通貨を発行
経営規模の小さい個人店では、決済端末の導入費用や決済手数料の負担が大きく、電子決済では売上から入金までに時間を要するため、資金繰りの面でも問題があった。また、既存の仮想通貨は投資目的で利用されることも多く、貨幣の価値のアップダウンも激しく、少額決済には不向きだった。カウリーでは、アプリ上で各店舗が独自の仮想通貨を作成し、その利用を管理できる。料金体系はまだ未定だが、規模の小さい店舗や個人であれば、導入費用および決済手数料ともに無料とする計画だという。
中規模以上の店舗を対象とした有料プランでも定額制となる見込みだ。審査などはないため、仮想通貨は誰でも気軽に作成可能だ。
・使えるのは発行店のみ、価値も店に依存する
そのため、カウリーで発行した仮想通貨の価値と信用は、発行者に依存する。プリペイドカードやポイントカードの代わりとして使うこともできる。カウリーで作成される仮想通貨は、“発行店で使える”という価値しかなく、投機目的で利用される心配も少ない。イメージとしては、コーヒー店が販売している「コーヒーチケット」に近い。例えば1杯400円のコーヒーを11杯飲めるチケットが10枚分の4,000円で買えるというようなもので、客はオトクにコーヒーを飲め、店側は顧客の固定化と前払いによる資金繰り上の利点がある。
カウリーアプリの開始および会社の設立について、代表取締役社長の赤嶺和史(豊見城市マイトパルタ店主)は、次のようにコメントしている。
「小さなお店の独自通貨は、常連客へのサービス向上と固定客作りに役立ちます。経営規模が小さいゆえに大手企業のような電子決済を導入できていない小さなお店がたくさんあります。私たちはアプリを通じて、世界中の小さなお店の経営力の向上に貢献してまいります。」
これなら個人経営のような小さな店舗でも、負担を抑えて電子マネー導入ができる。草の根的な取り組みから始まったサービスが、日本の社会を変えていくかもしれない。
■株式会社ヴヰンテージの発起人の経営店舗
マイトパルタ(沖縄県豊見城市)
いこい整骨院(沖縄県南城市)
Aguro Roast Coffee(沖縄県八重瀬町)
あぐろ焙煎珈琲店(沖縄県那覇市)
ico.Cafe
カウリー
PR TIMESリリース