2017年6月、アイントホーフェンにある蘭金融機関Rabobank(ラボバンク)の新オフィスに初めて導入されて以降、オランダ国内のオフィスビルや商業施設、マンションなどで採用されている。
・太陽光で発電できるガラス窓
「PowerWindow」は、「Physee」が独自に開発した、毒性がなく、環境にやさしい無機発光塗料を用い、一般的なガラス窓であれば反射してしまう太陽光を吸収して、窓の縁にある太陽電池に届け、電力に変換する仕組み。また、「SmartWindow」と呼ばれる専用センサーを取り付けることで、光度や気温、気圧、大気状況などを計測し、屋外と屋内の環境を常時モニタリングすることが可能だ。
「PowerWindow」で発電したエネルギーは、蓄電システムとスマートメーターを兼ねた「EESY」によって制御され、蓄電池技術「LifePO4」を活用したバッテリーに充電できるほか、施設内でのエネルギーの需給状況は、専用スマホアプリを介してリアルタイムで確認できる。
・1億9000万円の資金調達にも成功
「Physee」では、2018年5月、150万ユーロ(約1億9000万円)の資金調達にも成功しており、「PowerWindow」を中心とするスマート発電ソリューションのさらなる開発をすすめながら、事業を拡大していく方針だ。(文 松岡由希子)Physee