・5年以内の悪化の可能性を探る
今回の研究で開発されたアルゴリズムは、今後5年間に個人の認知機能がアルツハイマー病に悪化する可能性があるかどうかを予測するのに役立てることができるという。研究者らは、健常な高齢者から軽度の認知障害を経験している人々、そしてアルツハイマー病患者までの800人以上の人々のデータを用いてアルゴリズムを算出。現時点ではアルツハイマー病を治療する方法は限られているが、今回の研究を通じてより適切な処置を行うことが可能になるかもしれない。
・未然に予防が可能に?
今回の研究がさらに進むと、例えば、アルツハイマー病の初期段階を遅らせたり、また、病を予防するためのライフスタイルの変更の検討などに役立てることが可能になると研究者たちは語る。現在、研究チームは、さらに新しいデータを使用して予測精度をテスト中。 予測をさらに洗練し、将来の予測を検討する判断材料として役立てるとのこと。多くのデータがあれば、アルツハイマー病につながる認知機能低下のリスクが最も高い集団内の人々を識別することも可能になるという。全世界で約5000万の人々がアルツハイマーを患っているとされており、2030年には8200万人、2050年には152人に達すると予測されている。今回の研究がこうした状況の改善の一歩となることに期待したい。
McGill