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新型素粒子検出器がデビュー目前!欧州原子核研究機構、”反物質”の性質検証へ

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欧州原子核研究機構(CERN)は、実験で利用できる単位の"反物質"が生成できる世界で唯一の機関。これを可能にしているのが素粒子検出器「ALPHA」だ。3代目となるALPHAが7月にカナダから運ばれ、いよいよデビューが目前に迫っている。

反物質とは、通常の物質と同じ特性を持つが量子特性のみが真逆のもの。例えば、通常の物質がマイナスの電荷をもつのに対し、反物質はプラスの電荷を持つ。

近未来的なルックスの新型ALPHAは先代までの機能に加え、反物質への重力の影響を測定するための機能が追加されている。

・反物質の謎の解明へ

ビッグバンの直後には、物質と同量の反物質が存在していたと考えられているが、反物質のほうは現在の宇宙にはほとんど残っていない。どこに消えてしまったたかも含め反物質の謎は解明すべき課題となっている。

CERNは、1995年に反水素の生成を確認して以来、2002年には大量の反水素の生成に成功。さらに2010年には、ALPHAの最初の実験で、磁場を使って0.2秒の間、反水素原子を閉じ込めることに成功した(生成した反物質は、物質と衝突して約400億分の1秒で消滅してしまう)。

その後の実験で、反物質の性質が明らかになっていくが、通常の物質と同じ重力特性を持っているかはいまだに不明。新型ALPHAではこの重要問題を探る。

・反物質が重力に逆らうかどうかを観察する

先代のALPHAが狭い部屋で水平に配置されていたのに対し、今回のものは垂直に配置。巨大なコイルで磁場を作り出して反水素原子を閉じ込めるが、磁場を操作しつつ上下のふたを同時に開ける。

これにより、反水素原子が地球の重力の影響を受けて落ちるか、または重力に反して上昇するかを観察するのだ。

万が一、一般的な物質とは逆の現象が観察されれば、アインシュタインの一般相対性理論による宇宙の理解が完全に覆る。

ALPHAチームは、11月12日までに反物質が上昇するか下降するかを観察することを目指している。

新しい磁場制御装置は複雑なため、チームは細心の注意を払いつつ全速で準備を進めているようで、同実験が世紀の大発見につながるかどうかが見ものだ。

参照元:New ALPHA-g Detector Poised to Search for Signs of Antigravity/IEEE Spectrum

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