シンガポールの運輸省や民間航空庁などもこの取り組みをサポートし、また現地の不動産業者と連携も図り、同国におけるアーバンモビリテとしての無人ドローンタクシーの可能性を模索する。
・本格導入へ向けての試み
Volocopterが開発しているのは2人乗りの電動垂直離着陸機(eVTOL)で、パイロットはおらず自動操縦で乗客を目的地まで運ぶというもの。すでにドイツの当局から予備的な免許を取得し、試験フライトを重ねている一方で、2017年9月からアラブ首長国連邦ドバイでテストフライトを実施している。
ドバイにしても今回のシンガポールにしても、機材の性能などを試すというより正式なサービス開始に向け、それぞれの都市環境でいかに空飛ぶタクシーを導入するか、どのように運航するか、などを具体的に検討するためのテストフライトとなる。
・ビル屋上にステーション
Volocopterによると、使用するeVTOLの航続距離は30キロメートルで、おのずと近距離の移動手段となる。ビルの屋上にステーションを設け、ビルからビルへと人を運ぶイメージのようだ。また、地上100メートルのあたりの飛行であれば騒音は地上に届かないとのことで、見上げれば摩天楼の上をタクシードローンが飛んでいるというSF的な風景となるのかもしれない。
ドバイやシンガポールのように、実際に行政当局や地元企業と連携を図りながらのテストが進むことで、“通勤や出張は空飛ぶタクシーで”という社会が確実に近づいてきている。
Volocopter