・ロボットが自律移動し、野菜を自動で収穫
従来の屋内農場では、播種や移植、収穫など、多くの工程を手作業でまかなっている。そこで、「Iron Ox」は、ロボットアームと自律移動ロボットで構成される独自ソリューション「Angus」を開発。
自律走行車でも導入されているセンサーとコンピュータービジョンによって施設内を自律移動し、複数のカメラとセンサーが装着されたロボットアームで、収穫のタイミングを判断し、収穫する仕組みだ。
クラウド型の独自ソフトウェア「Brain」が、施設全体を常時モニタリングし、良好な生育環境を担保しながら、農作物の成長を最大化するよう、「Angus」をリアルタイムで制御する“司令塔”の役割を担う。
また、この自律型屋内農場では、太陽光と高効率なLED照明を併用し、土を使わない水耕栽培の手法を採用することで、1エーカー(約0.4ヘクタール)あたりの収穫量を従来の畑よりも30倍増やすことができる。
・栽培プロセスをデータ化することで、農業生産性の向上にも役立つ
近年、季節や天候に左右されることなく、どこでも野菜を栽培できる屋内農場が広まりつつあるが、「Iron Ox」は、農作物の栽培プロセス全体を自動化し、この一連のプロセスにまつわる膨大なデータを収集・分析することで、農業生産そのものの改善にもつなげようとしている。自律型屋内農場では、今後、レタスやケールをはじめ、50種類以上の葉野菜やハーブを1年中安定的に栽培し、収穫された農作物は、サンフランシスコなど、近郊の飲食店や小売店に供給される見通しだ。(文 松岡由希子)
Iron Ox