そうした患者の不安を解消し、治療プロセスなどの情報を提供するプラットフォームが「Wellbe」である。このスタートアップは140万ドルの資金を集め、“Patient Guidance System (PGS) ”という、“治療の道筋”を患者に提示してくれるシステムを構築した。このシステムを通じて、患者は24時間いつでも情報にアクセスすることができる。それぞれの治療プロセスについてガイダンスを受けて学んだり、自ら治療方法の選択をする際のサポートを受けられる。また、シンプルなチェックリストが載ったemailのリマインダーが送られてきて、患者が治療プロセスをフォローする後押しをしてくれる。さらに、治療チームとオンラインでメッセージのやり取りをしたり、動画のカンファレンスを受けたりするようなことも可能だという。
患者は、どのような手順と治療スケジュールになっているのか把握したり、栄養面でどんなことに配慮すればいいのかなど、自分の治療プロセスを理解することができるようになり、治療への漠然とした不安を軽減できそうだ。一方、病院側としても、顧客満足度の改善に役立てたり、患者の同意を十分に得て治療を進めることができるようになり、患者に合った治療を施すことで、再入院や長期の入院を防ぐことにつながり、病院経営に貢献する効果も見込める。
このように、患者の意識啓蒙、病院のケアや患者対応の改善をサポートしてくれる「PGS」のようなシステムは、日本でも強いニーズがありそうだ。
Wellbe