そこで役立つのが、ソーシャルメディア専用のツール。データの解析やインフルエンサー分析など、効果測定にかかる作業を、一手に引き受けてくれるので、時間とコストが大幅に軽減される。ビジネスツールとして、今やひっぱりだこの人気ぶりだ。
今回ご紹介するのは、Twitterに特化したシステム「AILINK for Twitter」。独自開発のプロファイリングAIによって、効率的な情報拡散と良質なファンの獲得を実現。大手企業が競って導入している、今大注目のツールだ。
提供元は、東京と札幌で事業展開するAIQ。代表取締役の高松 睦(たかまつ あつし)氏が、取材に応じてくれた。
・ポジティブツィートを自動でリツィート
Q1:まずは、このようなツールを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。「AILINK(Instagram版)」を利用している複数のお客さまが、「Twitterの運用に困っているので、Instagram同様に、AIで効率的に運用できるツールを開発してほしい」と、強く要望されていたからです。
弊社では、自然言語処理の領域においても、独自技術を開発してきましたので、ベースの技術はすでに完成していました。実際に市場に投入してみたい、との思いもあったので、サービス提供に踏み切った次第です。
Q2:企業のマーケティング活動において、本ツールはどのように役立つのでしょうか。活用事例と併せて、教えてください。
自社のブランド名や、サービス名が含まれるポジティブなツイートを、自動的にリツイートするので、企業にとってPRしたいツイートが、常にアクティブな状態で残存します。
そのポジティブなツイートに対して、自動的に“いいね”をしたり、投稿者を自動でフォローすることもできます。(こうしたことから)投稿者と企業のつながり(企業に対するロイヤリティ)を、より強くすることが可能です。(中略)
そのものズバリのブランド名や、サービス名をキーワード指定して、効果を狙うのはもちろん、その企業が提供するサービスに関連したキーワードを設定して、フォロワーやエンゲージメント増だけの効果を狙う、という使い方もできます。
・分析対象を個人アカウントから趣味嗜好軸にシフト
Q3:開発にあたって最も苦労したのは、どのようなところでしょうか。Twitter独特の感情判定には、とても苦労しました。最終的には15万件以上のツイートを、ポジティブなのか、ネガティブなのか、自分たちで分析・タグ付けしながら学習させ、精度を上げていきました。絵文字の学習もさせているので、絵文字を含めた感情認識も、可能になっているところがポイントです。
Q4:今後の展開について、教えてください。
現在の「AILINK」は、プロファイリングAIで分析する対象が、SNSの個人のアカウントになっています。今後は、個人アカウントではなく、趣味嗜好軸(ファッション、グルメ、ビューティ、旅行などなど)で分析していきます。今のトレンドの可視化はもちろん、流行の先取り(ゼロ次情報)が可能なサービスを、展開する予定です。
その第1弾として、"Instant Trends”をプレローンチしました。Instagramにおける“今この瞬間のトレンド”を、可視化しています。このサービスは、AIですべて運用しており、人は介在しておりません。
本ツールのベータサービスを利用した大手企業では、導入後、純増フォロワー数が、約1.7倍になったという。加速するSNSマーケティングの分野で、どのように成長していくのか。今後の動きに注目したい。(取材・文 乾 雅美)
AILINK for Twitter