一方アメリカでは電動キックスクーターのシェアリングサービスが急速に拡大している。このようなちょい乗りライドシェアが実現した背景には、テクノロジーの進歩により、スムーズなペイメントや乗り物の管理が可能になったことがある。
アメリカを中心に世界でシェアリングサービスを展開する「Bird」の電動キックスクーターは、ユーザー目線で見ても自転車よりも手軽で快適に乗れそうだ。
・タフさと安定感を備えた設計
不特定多数のユーザーが利用し、街中に設置される電動キックスクーターに求められるのはまずタフさだろう。Birdの電動キックスクーター「Bird Zero」は耐久性を売りとしており、それはユーザーにも快適さと安全を提供する。ごつめのタイヤやその接続部分は安定感をもたらし、スムーズな走行に寄与するものだ。安定感を助長するしかけとして、分厚めのライディングデッキの重心は低めに設定されている。
移動距離やバッテリー残量がわかるデジタルディスプレイは大きめで見やすい。ハンドル右手側のバーコードは、ユーザーがスマホアプリから支払いを済ませるためのものだ。余計なものが一切搭載されていないシンプル設計は、ユーザーが利用しやすくするための工夫だろう。
・位置情報のトラッキングで現在地を把握
ライドシェアのシステムを見てみると、位置情報をトラッキングして各キックスクーターの現在地を把握。ユーザーがアプリから近場のものを探せるだけでなく、どこでどれだけ使われたかがわかるようになっている。管理者は利用が多い場所にキックスクーターを配置したり、夜間に移動させたりといったことが可能になり、効率的な運用が期待できる。
自治体や大学などがBirdと契約するときは、キックスクーター一台につき1ドル支払うシステムになっていて、スポットごとの利用頻度に応じてキックスクーターを増減させるようだ。すでにアメリカや、フランス、オーストラリアなどの自治体・大学で利用されており、Birdのシェアリングサービスは今後も拡がっていくものと思われる。
規制の壁があるため、電動キックスクーターのシェアリングサービスが日本に来るのはまだ先だが、海外の設置都市を訪れた際に利用してみるのもよいだろう。
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