この問題を解決しようと立ち上がったのが、2017年設立のGardiaだ。同社が提供するのは、無断キャンセルが発生した際の被害を保証するサービス。「No Show保証サービス」と名付けられたこの仕組みは、リリース以来、多くの店舗(企業)を、損害から守り続けている。
先月より、サービスを全方位から強化。保証対象の拡大等に努めつつ、会員店舗のサポートを強めていく方針だ。代表取締役社長の小山 裕(こやま ゆたか)氏に、早速詳しい話を聞いた。
・重要なのは最初から無断キャンセルが起らないようにすること
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
飲食や宿泊等のサービス業界などにおける、“予約”に対する“無断キャンセル(No Show)”の被害については、これまで、事業者が泣き寝入りするしかない状況でした。(中略)
その被害規模は、金額にすると、日本全国でなんと、年間2000億円をゆうに超えます。(中略)それにも関わらず、No Show問題に本気で切り込んでいくプレイヤーがいなかったため、先陣を切ってやろう、と考えたのです。
Q2:このたびサービスを強化されたとのことですが、どのような施策を講じられたのでしょうか。詳細について、教えてください。
重要なのは、そもそもNo Showなど起こらないようにする仕組みを、作り上げることです。弊社では独自のデータとノウハウによって、無断キャンセルの発生自体を防止する、システム構築に臨んでいます。被害を受けた店舗に対して、金銭保証だけで終わりにするわけにはいきません。無断キャンセルを起こさせないような仕組みを作ることこそ、真の意味で課題解決になる、と認識しております。
(その施策として)過去に悪質な無断キャンセルを起こしたユーザーには、注意喚起を促します。さらに今後は、飲食・宿泊(旅行)・美容(サロン)以外の、無断キャンセルが起こり得るすべてのサービス事業者に対して、No Show保証を提供していくつもりです。
・サービス拡大に向けて着々と準備中
Q3:昨年から展開されている本サービス。実際に利用したユーザー(企業)からの反響は、いかがでしょうか。
喜びのお声を、多くいただいています。その理由はまず、弊社の保証によって“リスクを平準化”できるようになるということ。無断キャンセルに関する当該ユーザーとのやり取りは基本的にすべて、弊社が吸収しますので、「事業者さんの手間や、レピュテーションへの影響もないことが非常に助かる」と、よく言われます。(中略)また、事前に危ないユーザーに関するアラートを出せるため、これも高評価のポイントとなっています。
Q4:今後の展開について、教えてください。
10月中のローンチ予定で、某超大手飲食系予約メディアの加盟ほぼ全店舗に対して、弊社の「No Show保証」が導入される手はずになっています。
既存パートナーでは、予約の売買ができるCansell社が展開する宿泊事業者向けのパートナープログラムの中で、No Show保証が、これから大々的に展開される予定です。旅行や美容を取り扱う大手の予約メディアでも、(中略)着々と準備を進めている先があります。(現在のシステムを含め)今後提供予定の機能は、他社には簡単に真似のできない部分だと、自負しています。
Gardiaのモットーは、未来が不透明なこの時代に、“新しい信用”を創造すること。今後もさまざまなサービスを通して、社会に貢献してほしい。(取材・文 乾 雅美)
Gardia No Show保証サービス