腸内ガスを検出するスマートカプセルの開発を進めているロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)は、ヘルステック企業Atmo Biosciencesと協定を結んだと発表した。今後、第二期臨床試験を行い、2022年までの商品化を目指す。
・体内を通りながら検知
腸内の微生物が食べ物を分解するとき、さまざまなガスが発生する。このガスを調べることで、消化器系の状態を知ることができる。しかし有効な手段のチューブ挿入は体への負担が大きく、また吐息の検査は精度がそれほど高くない。そこでRMITが開発しているのがスマートカプセルだ。センサーなどを内蔵する小さなカプセルで、患者が食べ物と一緒に飲み込み、体内を通過しながらガスを調べる。
・レシーバーからスマホへ
このカプセルは、専用の小型レシーバーに体内からデータを送る。そしてデータはレシーバーからBluetoothを介してスマホアプリへと転送される。そのデータを医師がみて炎症性腸疾患や潰瘍性大腸炎などの可能性を診断できるのだという。
このカプセルはすでに臨床試験が行われ、検査に効果的であることが確かめられているとのことで、開発チームによるとこの手法は吐息で調べる方法の3000倍も精度が高いという。
今回のAtmo Biosciencesとの提携で、今後は実用化に向けて具体的に動き出す。現段階では2022年までに発売する計画という。
RMIT