産業技術総合研究所(産総研)は重労働作業を行える人型ロボット「HRP-5P」を開発したと発表した。公開されたビデオを見るとこのロボット、石膏ボードを抱えて運び、ビス留めまでこなせる。
・労働力不足対策として
ヒューマノイドロボットは珍しいものではなくなりつつある昨今だが、HRP-5Pの開発は、今後の日本で人口減少や高齢化が進んで労働力が不足することを見越してのことだ。おそらく真っ先に人手不足となるのが重労働の分野だが、HRP-5Pはそうした作業を人に代わって行う目的で開発されている。
・高度な作業もこなす
HRP-5Pのポイントは、重いものを持ち運ぶだけでなく、重ねられた石膏ボードから1枚を取り、所定の場所にきっちり置いて、ビス留めまでするという、一連の高度な作業ができること。そうした作業を行うには、自律的に動けるのはもちろん、物体や周辺環境を認識し、道具を使うという技術を要する。
HRP-5Pの“身長”は182センチ、重さ101キロ。高出力モーターや複数モーターによる可動範囲の広い関節、各種センサーなどを搭載しているほか、さまざまな条件下で作業がこなせるようニュートラルネットワークで学習もさせている。
学習させればHRP-5Pはそのほかにも多くの作業ができるはずで、大工仕事にとどまらず幅広い労働作業をロボットが担う時代はすぐそこまできているようだ。
産業技術総合研究所