はやぶさ2が深宇宙のサンプルを持ち帰るのが2020年冬。ぜひミッションを完遂して宇宙探査技術の前進を示してほしい。
人類の宇宙進出計画が着々と進められるなか、コロラド鉱山学校(CSM)では宇宙資源の採掘(マイニング)教育がスタートした。宇宙資源マイニングに関する大学院レベルの教育プログラムは世界初となる。
・火星付近の小惑星帯には1兆ドルの資源が眠る
同教育プログラムでは、ロボティクスやサイエンス、経済などがカリキュラムに含まれている。地球外フロンティアでのマイニングで一旗あげようという人が入学してくるかもしれない。実際、40億年前に太陽系を形成した小惑星の残骸には、プラチナや金、鉄やニッケルなどが含まれている。
例えば、火星と木星の間には、16個の惑星から成る小惑星帯「Psyche」があるが、NASAが将来の探査目標に設定しているこの惑星帯には、推定1兆ドルにおよぶ資源が含まれている。
もし、惑星帯ごと地球に持ってくることができれば、世界経済を揺るがすほどのインパクトを与えるだろう。
・月のクレーター内の水が貴重な燃料源に
もちろん、金儲けの目的でなく、純粋に人類の地球外惑星への移住を見据えて入学する学生も多いだろう。火星探査の足場となり得る月の極域周辺には、凍結した水があることがわかっていて、これが将来の宇宙ミッションの貴重な電力供給源となるかもしれないのだ。
ただ、月でのマイニングはそれほど簡単にはいかないようで、凍結した水があるとされるクレーターの内部は、太陽光が永久に当たらない部分。つまり、太陽光発電による電力供給が難しい。
また、太陽系の中で最も冷たい場所との説もある月のクレーターは、NASAの月面探査により気温がマイナス240度を超えていることがわかっている。この極寒環境下では機器も動作せず、解決策は未来に委ねることになりそうだ。
Elon Muskの掲げる火星移住計画が現実味を帯びるにつれて、宇宙マイニングの需要も大きくなると考えられるが、すでに入学している学生については、そうとう目が早いといえるだろう。
参照元:First-Ever Grad Program in Space Mining Takes Off/ SingularityHub