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Marketing 【interview】受験生の3人に1人が使う学習管理システム「Studyplus」のグロースハック戦略と新しい教育産業の仕組み

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【interview】受験生の3人に1人が使う学習管理システム「Studyplus」のグロースハック戦略と新しい教育産業の仕組み

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学校教育の中で、教科書片手に先生から教わる授業をただ聞くだけでは学習進捗が掴みづらい。海外ではLMSという学習進捗管理システムが何年も前から利用されてきた。そんな中、Studyplusは、日本のレガシー産業である学校教育の風穴をあけるべく、多くの教育機関への導入を実現させてきた。そのグロースハック戦略について、スタディプラス株式会社CTOの島田氏に話を伺った。

Studyplusは学習に特化したSNS

Q1.Studyplusのサービスについて教えて下さい。
学習管理SNS「Studyplus」は、学習内容の記録・可視化と、共有・交流をするサービスです。学習で結果を出すにあたって、最も難しく、また重要なことは「継続」です。Studyplusは成果が出るまで学習するために、モチベーションの計測を支援するアプリです。2011年3月に前身となるサービスをローンチし、現在では大学受験を控える高校生や、勉強を頑張る中学生、大学生、社会人など350万人以上のユーザーに使っていただいています。Studyplusの主な機能は「学習量の記録と可視化」「学習に特化したSNS」の2つです。前者は、「どの科目・テキストをいつどのくらい学習したか」を記録してグラフで可視化することにより、学習のPDCAサイクルを回すことができ、また「自分はこれだけ勉強したのだ」と勉強量を実感し自信につながります。後者は、Studyplusに集まった学習意欲の高いユーザーと交流することにより、相互に学習意欲を刺激し合うことに繋がります。また、他のユーザーがどのようなテキストを使って勉強しているのか?どのくらい勉強しているのか?など、学習についての情報収集も可能です。
Q2.Studyplusを開発した背景はどのようなものだったのでしょうか。

代表取締役廣瀬の高校時代の経験が、Studyplusのアイデアに繋がっています。東大に首席合格した先輩が、どのようにして勉強していたのかを聞いてみたところ、「合格までのスケジュールを自分で立て、勉強した後はノートに勉強の記録をつけて、グラフにして可視化する」というものでした。また、浪人時代に予備校に通っていた経験も役立っていたとのことです。それは、大教室での授業スタイルよりも、生徒や学習者が主体的に取り組む方がモチベーションが上がるのではないかということと、予備校の同級生で授業には出ずに自習室を活用して、周りが一生懸命勉強をしている環境を作り、自分のモチベーションアップに繋げるということが参考になり、Studyplusの開発に至りました。

最初の一週間の継続が鍵

Q3.LMS(学習管理システム)を導入するメリットとオンボーディングで工夫していることはありますか。
学校の先生などに「次はこれを学習しなさい」などと言われなくても、学習時間や科目別・教材別の学習時間を管理することにより、学習状況を自己分析できるのがメリットですね。オンボーディングで工夫していることとしては、まず、ユーザーから寄せられた意見を開発にフィードバックするためにユーザーの問い合わせをエンジニアが見える化しています。また、Studyplusを使い続けるハードルとして、「最初の一週間の継続」があります。インストールして1週間継続することが難しい一方で、1週間使い続けられたユーザーはその後も継続できるという傾向があります。継続して使用できるユーザーは他のユーザーと勉強記録へのいいねをしあって交流しているため、チュートリアルでは他ユーザーの勉強記録にいいねをするよう促しています。
Q4.教育業界というレガシー産業でのグロースハック戦略でどのようにして市場を開拓していったのでしょうか。
Studyplusは、勉強について自由に話せる空間として受け入れられています。TwitterなどのSNSと違い、勉強を頑張るユーザー同士が繋がっているので、お互いが刺激し合うことで、「もっと勉強をしたい!」と思うユーザーが自然と増える仕組みになっています。また、Studyplusはコンテンツを持たないプラットフォームです。そのことが、継続的な利用につながりました。例えば英語のアプリは、英語が上達したら使わなくなるし、毎日は英語を勉強しないから使わない、というユーザーも多いでしょう。しかしStudyplusは勉強の内容に関わらず、勉強をしたら必ず利用されるので、継続的に利用されやすいようです。このようなアプリは、これまで存在していませんでした。ダウンロード数の伸びない時も、社員一同がStudyplusの良さを信じて愚直にユーザーのために頑張ってきた、そのことが受験生の3人に1人に利用されるまでに成長した理由です。
Q5.最後に今後の教育産業の将来を見据えた上での展望について教えて下さい。
今後は、どういう属性の人がStudyplusを利用し、どういう勉強をしてどのような目標を達成したかのデータ分析を行い、同じ属性の人に勉強方法やテキストをおすすめするなどして、学習に役立てられるような仕組みを提供したいと思います。これまで蓄積したStudyplusユーザーのデータや事例から、勉強のノウハウやモチベーション管理の方法などを記事にして、まずは勉強に興味を持ってもらえる仕組みを作り、Studyplusを目標との出会いになる場にしていきたいです。また、勉強量の記録に加えて、今後は習熟度も測れるような仕組みを作ろうと考えています。
いまや学校での勉強もアプリで管理できる時代になった。ユーザーが使いやすくかつモチベーション維持ができるLMSは、教育産業全体に必要となるシステムなのかもしれない。
学習総合サイト Studyplus(スタディプラス)

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