今回ご紹介するのは、今夏リリースされたばかりのニューフェース「PinnAR(ピナー)」。4か国語対応の、観光客向けナビゲーションアプリだ。特長は、ARによるナビゲーション機能。画面上に表示される矢印の方向に進むだけで、目的地へ誘導するというもの。カメラ画面のアイコンを目で追えば、目的地へすんなりと到着できるのだ。
開発を手がけたのは、1974年創業の老舗企業テレコムスクエア。プラットフォーム事業部門統括マネージャーの小笠原 亮(おがさわら つよし)氏に、話を聞いた。
・方向をシンプルかつ視覚的に示すツール
Q1:まずは、このようなアプリを開発するに至ったきっかけから、お聞かせください。海外からの旅行者と思われる人々が、地図を持っているのに、キョロキョロ、ウロウロしている姿を、たくさん見かけたからです。日本人でも、駅を出た途端、どの方角へ行けばいいかわからない、というケースは多々あると思います。
そんなとき、方向をシンプルかつ視覚的に示してくれるツールがあればいいな、と思ったことが、開発のきっかけです。
Q2:開発にあたって最も苦労したのは、どのようなところでしょうか。
「便利なツールとして、いろいろな機能を搭載したい、搭載するべきだ」と思いましたし、それに沿ったアイディアも、たくさん出てきました。
しかし、それらすべてを実現しようとすると、「PinnAR」本来の目的といいますか、メイン機能がぼやけてしまう恐れがありました。そのため、「PinnAR」の利用者にとって、本当に必要な機能、情報を選別し、提供するといった仕分けを、しっかりと行うよう心掛けました。
・ユーザーの半数近くが海外居住者
Q3:正式リリースから1か月以上経ちましたたが、ユーザーからの反響は、いかがなものでしょうか。対象としている台湾、香港のユーザーによるダウンロード数も大きく増え、利用者の半数近くが海外居住者になっている状況は狙い通りで、大変うれしく思っています。
しかし、継続利用を促す機能やコンテンツは、未だに実装されていません。継続利用率を上げるためにも、このあたりを改善していきたいですね。
Q4:対応言語を増やす予定はあるのでしょうか?今後のサービス展開と併せて、教えてください。
ズバリ、増やす予定です。さまざまな国から日本へ来る観光客に、道に迷うことなく旅行を楽しんでもらいたいので、言葉の面でもサポートしたい、と考えております。
現在は日本語以外に英語、繁体字、韓国語に対応していますが、東南アジアやヨーロッパの言語まで拡大すべく、開発を進めているところです。(今後は今よりもっと)多くの国の人々に、手軽に利用してもらえるアプリをめざします。
レストランやカフェなど、周辺スポットの情報も満載されている「PinnAR」。観光のみならず、日頃のレジャーでも十分活用できそうだ。ダウンロードは無料。今秋は、ARによる道案内が日本を席巻するかも!?(取材・文 乾 雅美)
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