このほど、MITとサウジアラビアの社会起業組織、Community Jameelが、ヘルスケアITプロジェクト「Abdul Latif Jameel Clinic(J-Clinic)」をスタート。AIの医療分野への進出を加速する。
J-Clinicでは、MITの有する膨大なナレッジとCommunity Jameelの有する広い活動基盤をフル活用して、医療技術にイノベーションを起していく所存だ。
・臨床医療とライフサイエンス、コンピュータサイエンスの融合
J-Clinicが狙うのは、臨床医療とライフサイエンス、コンピュータサイエンスなどの融合。これにより、医療における機械学習技術の開発を加速し、病気の予防、検出、治療をより安価で正確に提供できるようにするのが目標だ。例えば、病気の予防においては、病原体の感染経路を突き止めるのに機械学習が活用できる。また、コンピュータサイエンスの導入で、診断から創薬までのコストを押さえることが可能となり、個別にカスタマイズされた正確な治療法の開発にも期待できる。
MITのガンから神経科学までの深い専門知識と、ボストンの世界的な医療業界との強固なつながりを基盤に、世界のあらゆる地域で高度な医療を提供できるよう取り組みを進めていく。
・持続可能なエコシステムを構築
J-Clinicは、特許取得により開発した医療技術の商用化を推し進めることで、スタートアップや製薬会社を巻き込んだエコシステムを築きつつ、技術の浸透を図る。また、ライフサイエンスとコンピュータサイエンスが交わる地点における研究プロジェクト、教育、ワークショップなどを積極的に支援していく姿勢を示している。
臨床医療とライフサイエンス、コンピュータサイエンスの融合がもたらす世界の人々への恩恵は大きく、J-Clinicが仕掛ける医療技術のイノベーションからは目が離せない。
参照元:Abdul Latif Jameel Clinic for Machine Learning in Health at MIT aims to revolutionize disease prevention, detection, and treatment/MIT News