スペインの車メーカーSEATは、イスラエルの音楽システム開発会社Novetoと提携したと発表した。Novetoのシステムを搭載した車を開発する。
・リスナーだけに届く
Novetoは、今年初めに開かれたCESでバーチャル・ヘッドフォン・テクノロジーを発表していた。センサーがリスナーの頭の動きを追跡し、リスナーにデジタルシグナルを送ってワイヤレスで音楽が届くようにするというものだ。ここでポイントなのは、音楽は“ビーム”でリスナーだけに届き、周囲には漏れない。つまり最初の例でいうと、クラシック音楽は親の耳だけに、アニメソングは子どもの耳だけに届くので、互いに煩わされることなくそれぞれの音楽を楽しめるわけだ。
・高指向性スピーカーのよう
イヤホンなしにそんなことが可能なのか、と多くの人は思うだろう。具体的に、どのような装置を使うのかなど詳細は明らかにされていないが、イメージとしては超音波を利用したディレクショナル(高指向性)スピーカーに近いようだ。ただ、Novetoのテクノロジーでは3Dトラッキングテクノロジーを使ってリスナーの動きを追うなどさらに高度なものとなる。
NovetoとSEATのコラボ車がいつお目見えするのか今のとこまだ見通せていないようだが、実現すればこの手の車としては初となる。
技術は日進月歩。ゆくゆくはドライバー席もない自動運転車で、家族皆がそれぞれの音楽をイヤホンなしに楽しむという時代がやってくるのかもしれない。
SEAT