ドイツの老舗自動車メーカーBMWの二輪部門BMW Motorradでは、自社の大型バイクに、自己運転技術を実験的に搭載。スタートから加速、ターンなどのバイクに必要な動作を、すべて自動でこなせるようにした。
・自律機能介入によって事故を防止
過去2年にわたり、自己駆動式オートバイを研究してきた同社。市場販売というよりも、安全システムを開発することを視野に入れ、開発を続けている。
運転席がガードされている自動車と違って、オートバイは操作する人間が無防備になりがちだ。ちょっとした不注意から、大きな事故につながるケースも少なくない。ライダーの集中力が途切れたとき、自律機能を介入させることで、惨事を防ごうというのがこの研究の主な目的だ。
同社が今回、自律型パイクとして選んだのは、トラベルエンデューロのアイコン的存在R1200GS。その走行風景は、技術者のコメントとともに、YouTubeで公開されている。
・危険な状況を事前にキャッチ
プロジェクトのメンバーで安全技術者のステファン・ハンス氏は、次のように語っている。「このプロトタイプでは、ライダーの行動分析と、危険な状況を即座に判断できるよう、車両ダイナミクスの知識拡大に注力した。(研究が成功すれば)ライダーに事前に注意喚起を促し、事故を未然に防げるようになるだろう」。
車以上に、運転する側の技術力が求められるオートバイ。自律走行が実現すれば、今よりもっと多くの人が、乗れるようになるかもしれない。
BMW Motorrad