そんなオーラルケア先進国であるアメリカ、ニューヨークの歯科医とデザイナーがタッグを組んで始まった、電動歯ブラシの定期購入サービスのスタートアップが「Quip」である。
”完璧な歯磨き”をしてもらいたい
アメリカは日本と異なり国民皆保険ではないため、歯の治療を受けるとなると莫大な医療費がかかり、金銭的な問題で治療を断念する人があとをたたない。その現実を受け止め、”それならば家庭で完璧な歯磨きをしてもらおう”というコンセプトで、歯科医監修の元で発明された「Quip」の電動歯ブラシは、歯科医ならではの視点で取り入れられたアイデアがたくさん詰め込まれている。例えば、人は歯をしっかりと磨こうとすると無意識的に歯に強くブラシを当ててしまい、それによって歯の表面のエナメル質が傷つくことに着眼し、ブラシ部分の素材を柔らかい素材を採用していたり、30秒ごとにタイマーがなり、歯の磨く部分を変更する時間を知らせることによって口腔内全体をまんべんなく磨くことができるよう工夫されている。
デザインをシンプルに
歯ブラシは毎日使うものであるため、どれだけ機能性が高くても使い勝手が悪ければ仕方がない。そこで「Quip」絵はデザイナーに電動歯ブラシのデザインを依頼し、”できる限りシンプルで使いやすく、かつデザイン性も兼ね備えたモデル”を実現。コンパクトなトラベルサイズで、カバンに入れても邪魔にならないサイズ感で作られている。
3ヶ月に1回の交換で年間約4000円
スターターセットは25ドル(約2800円)から手に入れることができ、セットの中には4色から選べる電動歯ブラシ1本、歯磨き粉の現品サイズ1本とトラベルサイズが1本、歯ブラシスタンドが1つが入っている。3ヶ月ごとに新しい先端についている付け替え用の歯ブラシと歯磨き粉が届く。価格はそれぞれ5ドル(約560円)と大変リーズナブルな価格設定である 。さらにこのサービスは送料が無料で、特別な契約なども必要がない。
日本には未上陸のこのサービスだが、消費者に寄り添ったコンセプトと価格設定で、日本のオーラルケア問題に一石を投じてくれるかもしれない。
Quip