しかし、マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)が開発したロボット「DON」はより高度だ。数ある中から特定のものを選分けて抜き出すという、人間のような能力を持つ。
・あらゆる角度から撮影
DONは、ニュートラルネットワークやビジュアルシステムを搭載したロボティックハンド。カメラで物を“見て”、ニュートラルネットワークで“学習”し、トングのような手で物をつかむ。対象となる物をDONの前に置くと、DONはあらゆる方向からカメラで対象物の写真をとり、形状など特徴を読み込む。すると、似たようなものがたくさんある中に混ぜられても対象物を見つけ出してピックアップすることができる。
・部分的露出でも判断
MITが帽子やシューズなどで実験している様子を収めたビデオを見ると、確かに数ある中からあらかじめ選んでおいた物を間違えずに認識して選び取っている。すごいのは、他のものに隠れて対象物の全形状が明らかでない状態でも判別していること。つまり、対象物の形状を最初にほぼ読み込んでいて、わずかな部分だけでもそれを手掛かりに正しく判断できるということになる。
CSAILの開発チームは、DONを倉庫での商品仕分けに活用でき、また家庭でも食器の片付けといった作業をこなせるとしている。製品化などの予定はまだなく、まずは10月29日にスイスで開催されるロボットラーニングの会議でお披露目する。
単純作業だけではなく、判断を伴う高度な作業もロボットに任せる時代がすぐそこまできているようだ。
MIT