しかし、その配達が自動運転車によるものだったら? 配達人はおらず、玄関先に着いた配達車のトランクから商品をピックアップする。そんな未来的なショッピングサービスが米カリフォルニア州で試験展開されている。
・すべてがアプリで完結
食品・日用雑貨小売の形態に新風を吹き込もうとしているのはスタートアップの「Auto X」。新サービスを展開するにあたっては、eコマースのGrubMarketと提携している。利用方法はいたってシンプルだ。客はアプリで購入したい商品を選んで注文する。すると、事前登録した住所に自動運転車で配達される。
商品を乗せた車の到着はアプリで知らされ、客は玄関先でアプリを使って車のトランクを開け、商品をピックアップするだけ。支払いも登録したクレジットカードで決済され、すべてがスマホで完結する。
・ピックアップ時についでの買い物も
この無人配達に使用されている車は「Lincoln MKZ」。要冷蔵の食品もあるので、当然のことながらトランクは適温に保たれているとのこと。ユニークなのが、後部座席部分に飲み物やヨーグルトなどを揃えた“陳列棚”があること。トランクをあけると同時に後部座席の窓も下がり棚が現れる。
そして、欲しいものがあれば客はその場で“ついで購入”することができる。その際は、搭載するコンピュータービジョンのシステムが、客が棚から何をとったのかを認識し、代金は自動的に請求書に加わるのだという。
このサービスは現在、手数料無料で試験展開されていて、本格運用時は手数料が発生する。しかし、Auto Xは「ドライバーによる配達の手数料より安くなる」としている。
無人配達としてはドローンを活用したものもあるが、食品や日用品となると車によるサービスの方が現実的かもしれない。
Auto X