地球と月との距離の約10分の1の上空3.6万kmにターミナル駅、地球の海洋上に発着場を設置。総延長9.6万kmのケーブルでつなぎ、エレベーターを運行させ、人や物資を経済的かつ大量に宇宙へ搬送するという、壮大なプロジェクトだ。
・大学の研究者チーム主導で打ち上げ実験を決行
その夢が、いよいよ実現に向けて、羽ばたき始める。今月、静岡大学などの研究者で構成したチームが、 宇宙エレベーター開発を前提とした打ち上げ実験を、行う運びとなったのだ。実験では、静岡大学工学部が開発した、2つの超小型立方体衛星を使用する。各衛星は、各側で10センチメートルを測定し、約10メートルのスチールケーブルで、ツイン衛星を接続。1対の衛星は、国際宇宙ステーション(ISS)から解放される。一方、エレベータカーのように機能するコンテナは、モーターによって、衛星を接続するケーブル上を移動する。空間内でのコンテナの動きは、衛星に取り付けられたカメラが、逐一記録していく。
・めざすは2050年のローンチ
この小型衛星は11日に、鹿児島県種子島宇宙センターからISSへ、打ち上げる予定だ。宇宙空間のケーブルでコンテナを移動させるテストは、これが初めて。成功すれば、宇宙エレベーター実現のための、大きな一歩となるだろう。ちなみに今回のプロジェクトは、大林組とは異なるが、大学チームは以前から同社の構想に賛同しており、情報共有の合意は成されている模様。大林組がめざす宇宙エレベーターのローンチは、2050年。順当にいけば、あと30年あまりで現実のものとなる。ぜひ、この目で見てみたい。
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