搭載するソーラーパネルで発電してモーターを回し、2カ月半にも及ぶ3000キロの航海。無人のボートによる大西洋横断は初めてという。
・荒い海域にチャレンジ
SB Metの航海は、2010年にスタートしたMicrotransat Challengeという自律航行するボートのレースの一環。これまで20隻がチャレンジしている。SB Metはカナダ東部のニューファンドランド島を7月7日に出発。進路を東へとり、8月26日にアイルランドに到着した。北大西洋は荒い海域として知られ、無人ボートによる大西洋横断は初となる。
・海洋調査に活用
そもそもSB Metは、Offshore Sensingが「SailBuoy」と命名したボート。長さ2メートル、重さ60キロ。サーフボードのような平たいボードのほぼ全面をソーラーパネルが覆い、モーターや定期的に位置データを発信する装置の電気を賄う仕組みだ。Offshore Sensingが公開したビデオでは、大海原でSB Metはまるで葉っぱのような存在にみえるが、ブイなどが波に流されていくのに対し、SB Metは一定の場所で漂うことができるのが強みなのだという。
同社は「SailBuoyに各種センサーを搭載することで、海洋データの収集や、海洋生物の調査、油流出など被害状況の把握に活用できる。従来の調査船より速く移動でき、しかも安い」とアピールする。今後は17万5000ドル(約1950万円)で販売する見込みだ。
Offshore Sensing