しかし、飛行機と潜水艦が直接交信できる時代がやってくるかもしれない。米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボが新技術TARFを開発中だ。
・音響を無線へとリレー
TARFはTranslational Acoustic-RFの略で、音響とレーダーを組み合わせた技術。この新技術を理解するには、まず現状を把握しておく必要がある。現在、潜水艦と地上との交信では長波を使った通信が使われているが、多量のデータが送れなかったり、潜水艦側では受信だけだったりという欠点がある。潜水艦同士であれば音響通信が使用される。
そこで、TARFでは水中で使われる音響シグナルをレーダーで読み取れるようにする。簡単にいうと、翻訳リレーの働きをし、専用レーダーを飛行機などに搭載するだけで、潜水艦が発する音響をキャッチできるようになる仕組みだ。
・プールでのテストは成功
発表によると、研究チームはラボのタンクやプールで500回以上TARF のテストを行い、水中からのメッセージを受信することに成功しているとのこと。ただし、プールと海中では状況が異なり、現段階では海況が静かなときでのみこの新技術は使えるのではないかと予想している。今後はもちろん、どのような海況でも使えるものにしていきたいとしている。
MIT