・人工知能が50種類以上の眼疾病を高精度で自動診断
2種類のニューラルネットワークからなるこの人工知能は、ディープラーニング(深層学習)を活用し、光干渉断層計(OCT)で撮影した患者の眼の画像やデータからパターンを見つけ、50種類以上の眼疾病を特定し、必要な治療を示す仕組み。1万4884件の症例データを使ってこの人工知能に学習させたところ、94%を超える精度で、専門医と同じ診断結果を導きだすことに成功した。
従来の人工知能は、判断プロセスが“ブラックボックス化”し、なぜその判断に至ったのかがわからないのが課題だ。
そこで、この人工知能では、判断プロセスを医師が検証できるよう、画像データから検知した眼疾病の特徴をビジュアル化したり、診断の正確性をパーセンテージで表示するなど、診断の根拠を示す機能も実装されている。
・臨床試験を経て、英国30カ所以上の医療機関に導入される見通し
この人工知能は、今後、臨床試験を実施し、管轄官庁からの許可を得たうえで、医療機関に導入される計画だ。ムーアフィールド眼科病院では、英国内で展開している30の医療機関でも、この人工知能を積極的に活用する意向を示している。(文 松岡由希子)
University College London