除草剤を一切使わず、環境負荷を軽減しながら、雑草を効率的に除去できるのが利点だ。
・雑草に電流を走らせ、除草するシンプルな構造
「RootWave」は、巨大なはんだごてのような形状の棒で雑草の葉や茎に触れて電気を流し、熱によって根まで枯死させて、除草する仕組み。タンポポやヒルガオといった一般的な雑草から、エゾノギシギシやアザミなどの有害な雑草、バイカルハナウドをはじめとする外来雑草、既存の除草剤に対して抵抗力を持つ“スーパー雑草”まで、あらゆる雑草を瞬時に処理できる。
現在、園芸愛好家向けの「RootWave Pro」が販売されているほか、2019年には、視覚認識技術によって雑草を自動で判別し、「RootWave」で除草する農耕用ソリューション「Steketee」もリリースされる見込みだ。
・オーガニック市場の拡大に伴い、有機農家を中心にニーズあり
英国では、2017年時点において、農地全体の2.9%に相当する51万7000ヘクタールで有機農業が営まれており、英オーガニック認証機関「SOIL ASSOCIATION」によると、英国のオーガニック市場は前年比6%増の22億ポンド(約3135億円)に達している。「RootWave」のように除草剤を必要としない除草システムは、園芸愛好家にとどまらず、有機栽培に取り組む農家においても、大いにニーズがありそうだ。(文 松岡由希子)
RootWave