今回、南オーストラリア大学らの研究グループは、機械学習アルゴリズムを使用して、性格と眼の動きの関係性を立証している。
「目は心の窓」といわれるが、ついに目の動きから性格が判定できるところまできたわけだ。
・ビッグファイブの人格特性指標を活用
研究では、性格の判断にビッグファイブと呼ばれる、心理学では一般的な人格特性指標を用いている。ビッグファイブでは、人の性格が「開放性」「真面目さ」「外向性」「協調性」「精神的安定性」といういう5因子からなるとされていて、目の動きをトラッキングすることで、これらの割合が明らかになるという。
目の動きを収集して機械学習により分析。好奇心をいだいている(開放性)、おもいやりをいたいている(協調性)…といった心理状態と眼球運動パターンを関連付け、質問紙法による人格特性の判定結果と照合している。
・生活環境での眼球運動をトラッキング
まず研究グループは、被験者42名の日頃の大学生活に近い環境にて、眼球運動をトラッキング。続いて質問紙により人格特性を評価した。これらを照合した結果、目の動きが人格特性の予測に有効なことがわかったとのこと。この研究は、実験室のなかの厳密に管理された環境下ではなく、日常生活での自然な眼球運動を追跡している点でも信頼が置ける。
ただし、サンプル数については十分とはいえず、研究の展開によるさらなる精度の向上に期待したい。
いずれにせよ、機械学習が心理学など人文学的な領域でも有効活用され、これまで明らかにされていなかった事実を解明していくと考えると胸が躍る。
参照元:Artificial intelligence can predict your personality… simply by tracking your eyes/University of South Australia Media-Centre