・一年中、パリでイチゴの地産地消が可能に
オランダ企業局(RVO)に属する発展途上国輸出振興センター(CBI)によると、イチゴは欧州で最も人気のある果物のひとつで、年間消費量はおよそ120万トン。なかでも、フランスは、欧州でドイツに次いで2番目に大きな“イチゴ輸入国”であり、その輸入量は2016年時点で年間8万トンとなっている。
そこで、「Agricool」では、気候や季節を問わず、一年中、イチゴを安定的に栽培できる屋内農場ソリューション「Cooltainer」を独自に開発。
貨物コンテナをリユースした30平方メートルの空間で、農薬を一切使わず、従来よりも90%少ない水と肥料で栄養価の高いイチゴを栽培できるのが特徴だ。
現在、パリの4カ所に「Cooltainer」が設置されており、ここで収穫されたイチゴは、完熟に近い状態で、鮮度をキープしたまま、短時間で消費者に届けられている。
・パリのスーパーでもイチゴの販売がスタート
「Agricool」では、2018年2月に、パリのスーパーマーケット「モノプリ(MONOPRIX)」の店舗でもイチゴの販売を開始。開店時刻には、当日の朝に「Cooltainer」で収穫されたばかりのイチゴが店頭に並ぶという。
独ベルリンの「Infarm」をはじめ、季節を問わず、葉野菜を栽培できる屋内農場ソリューションはすでにいくつか事例があるが、「Cooltainer」のようなソリューションによって、イチゴの“地産地消”も一年中、可能となりつつあるようだ。(文 松岡由希子)
Agricool