・パイクスピークのレース用バッテリーをめざして
突拍子もない実験にチャレンジしたのは、マーク・ローバーという、アメリカの若き科学者。これまでに、仲間と協同でユニークな発電機を、数多く開発してきた。今回の目的は、毎年コロラド州パイクスピークで開催される、自動車と二輪車のレース。そこに参加するフォルクスワーゲンの電気スーパーカーに、チャージャーとして利用してもらうためだ。
ここで応用しているのは、中学生の理科で習う、化学電池の仕組み。イオン溶液に2種類の金属を入れて、電流を生み出すというもの。この場合、イオン溶液に当たるのが、レモンの果汁。これを介し、銅をプラス極、亜鉛をマイナス極にして、電気を発生させる。
・実現はしなかった?
まずは、必要な数のレモン集めから。それが済んだら、レモン果汁を絞り出す装置作り。電気を作り出すため、果実を水溶液にしておく必要があるからだ。電気はレモンから発生するのではなく、亜鉛と銅の電荷の違いから起きる、化学反応によって生じる。電子は銅側に移動したがるので、レモンジュースが媒介となり、電子を送り出す。ジュースの量が多いほど、電流も増えるというわけだ。
残念ながら、このバッテリー、実現はしなかった模様。レースの開催は、6月末。報道の中で、レモンバッテリーの話題が、どこにも出ていないところを見ると、成功しなかったのかもしれない。動画のほうも、さまざまな動力発電の紹介で締めくくられている。
これからも、いろいろな発明を、紹介してくれるだろう。ローバー氏の飽くなき挑戦は、まだまだ続きそう。
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