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Tech 遺伝子組み換え大腸菌を活用し、変換効率の高いバイオ太陽電池をカナダの大学が開発

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遺伝子組み換え大腸菌を活用し、変換効率の高いバイオ太陽電池をカナダの大学が開発

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カナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)の研究プロジェクトは、2018年7月、有機体を使って発電効率の高いバイオ太陽電池を開発する新たな手法を考案。

その成果をまとめた研究論文を、ナノ科学・ナノテク分野を専門とする学術雑誌「Small」で公開した。

・遺伝子組み換えした大腸菌を“半導体”に活用したバイオ太陽電池

研究プロジェクトでは、成熟したトマトに含まれることでも知られ、エネルギーに変換するための光を効率的に取り入れる働きをもつ「リコピン」に着目。

リコピンを過剰産生するよう遺伝子組み換えした大腸菌を酸化チタン(TiO2)でコーティングし、これを太陽電池の半導体としてガラス表面に適用した。

研究プロジェクトがこのバイオ太陽電池で太陽光発電の実験を行ったところ、この分野で最高値となる1平方センチメートルあたり0.686ミリアンペアの電流密度を生成したという。

また、一連のプロセスで大腸菌に害が及ぶことはなく、大腸菌は半永久的にリコピンを生成し続けることができる。

・曇天や低照度でも太陽光発電が可能に!?

この新たな手法は、従来の太陽電池と同等の変換効率を担保しながら、より経済的かつ持続可能なかたちでバイオ太陽電池を生産できるのが利点。

曇天の日が多く、従来、太陽光発電に適していないとされてきた国や地域で、太陽光発電の変換効率を高めることに役立つのみならず、採掘や深海探査など、低照度な環境下でも応用できるのではないかと期待が寄せられている。(文 松岡由希子)

The University of British Columbia

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