捜索やデータ収集などの際に役立つ小型ロボットなら、製造コストが安くて大量生産も可能だ。
最近、アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)は「SHRIMP(SHort-Range Independent Microrobotic Platforms)」という新しいプログラムを発表した。
同プログラムでは、災害時の活用に適したマイクロサイズからミリサイズのロボット・プラットフォームの開発と実証を進めていく。
・災害シナリオを想定し捜索や復旧作業で役立つマイクロボットを
近年、パーツの小型化と技術の進歩により、多種多様な小型ロボットが開発されてきている。
しかし、サイズを小さくしたことによる技術的な制約から、複雑なタスクを巧みに実行するためのパワーやモビリティ、コントロールなどに改善の余地があることも確かだ。
SHRIMPは災害時の活用において、より実用的なマイクロボット・プラットフォームを開発すべく、アクチュエーターや蓄電コンポーネントなどの素材・メカニズムの基礎研究を推進していく。
また、人命にとって脅威となり建物や都市インフラに甚大な被害をもたらす災害シナリオを想定。人間とロボットが連携しての救助を評価することで、捜索や復旧作業でのリスクを軽減し、救助の成功率や作業効率を上げる。
・マイクロボットのオリンピックで性能を評価
同プログラムがユニークなのは、オリンピックさながらの競技大会を開催し、マイクロボットの性能を評価する点だ。
アクチュエーターと電源の性能を評価するために、例えばジャンプの高さや距離、持ち上げられる重量、モノを持ち上げたままの歩行距離などを競い合う。
機能の評価では、ブロック積み上げ、障害物のあるエリアの走行、温度や光、音といったビーコンへの反応、傾斜の走行といった競技をおこなう。
1g未満、1立方センチメートル以内のシステムが暫定条件で、それぞれの競技別にロボットを用意できるが、4つ以上の機能を備えていることが望ましい。
自然災害の脅威を実感する機会の多い昨今だが、瓦礫のあいだなどで活躍するマイクロボットの開発が期待される。
参照元:DARPA Wants Your Insect-Scale Robots for a Micro-Olympics/IEEE Spectrum