・貴重な開発現場に潜入
情報源は、Dave Etchells氏。半導体物理学の修士号を取得し、長年エンジニアとして働いてきた同氏は、熱烈なカメラマニアでもある。そんな彼が興味を持ったのが、カメラに実装するセンサーの設計。取材をするため、さまざまなメーカーにアプローチしてきたが、どこからも門前払いだったという。ところが、ここに救世主が出現。Etchells氏の無茶な(?)オファーに、あのニコンが応じてくれたのだ。他社製が主流と思っていた同社が、巨額の投資を行い、専属のチームを組んで、センサー開発に取り組んでいるとのこと。今回は、そのレポートの一部をご紹介しよう。(写真はすべてDave Etchells氏撮影によるもの)
Etchells氏が現場を取材して、まず驚いたのは、設計作業の細かさ。センサーをはじめ、大半のチップを設計する場合、製造会社によって確立された、標準プロセスに基づくのが一般的だ。一方、ニコンでは、独自プロセスを用いており、設計とシミュレーションは詳細にまで及んでいる。それは、長い間半導体に携わってきた同氏から見ても、驚愕するほど繊細な作業だったそうだ。
・カメラシステム全体の最適化をめざして
センサー開発には、多額のコストと、膨大な時間を必要とする。一流カメラブランドとして、その地位を確立している同社が、そこまでしてオリジナルにこだわるのはなぜか。
Imaging Business Unit開発部門第3開発部部長三本晋介氏に、この疑問をぶつけたところ、こんな答えが返ってきた。一番の理由は、カメラシステム全体を最適化できるからだという。独自のセンサーを設計することで、結果として画像品質の向上につながるそうだ。
Etchells氏の記事はかなり長文なため、ここでは要点を述べることしかできない。興味のある人には、原文の閲読をおすすめする。なかなかお目にかかれない、開発現場のレポートは貴重。カメラファンならずとも、思わず読みふけってしまう濃厚な内容だ。
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